さくらコマースは、東京都府中市を中心にパチンコ店舗・デザイン販促物制作・ITソリューション等を展開する企業です。
株式会社さくらコマース
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e-factoryの「つながりの輪」 -わかまつ共同作業所さん-

まつきょんです。
先日、府中市内にある、社会福祉法人 若松福祉会のわかまつ共同作業所さんに行ってきました。
わかまつ共同作業所さんは、就労継続支援B型の事業所で、主にダイレクトメールの封入封かんなどの下請け作業や、布ぞうり・ポーチ等を作成する自主製品作業、府中市内の公園清掃・古紙回収を行いながら、障害のある方に就労や社会生活に必要な知識及び能力向上のために必要な、訓練・支援を行っている施設で「働く喜びを」を合言葉に取り組んでいます。
社会福祉法人若松福祉会 わかまつ共同作業所ホームページ

施設長の長谷川さん(右)とe-factoryの山田さん(左)

また、府中市の行政案件を軸に地域へデザイン販促ツールの制作を行っているe-factory(イー・ファクトリー)と連携する案件もあり、ビジネスパートナーでもあります。
今回は、「救急医療情報キット」を一緒に製作するにあたり、e-factoryの山田さんと施設を訪問する機会を設けて頂き、施設長の長谷川さんを中心に製作にまつわる取り組みを教えて頂きました。(訪問時には検温やアルコール消毒などの感染対策を行っています)

救急医療情報キットとは
ボトルの中に自身の血液型やかかりつけ医・飲んでいる薬等の情報を入れて保管し、緊急時に救急隊員へ正確な情報を伝えるツールとなっています。
普段は冷蔵庫の中で保管したり玄関にぶら下げたりとわかりやすい場所に設置します。

ピンク色が目印の「救急医療情報キット」

すべては「事前準備」から始まる

皆さんの担当は、救急医療情報キットボトルの側面やキャップにシールを貼り、必要な備品をボトルの中に入れる細かい作業です。
まずは、スタッフの皆さんで施設に通う利用者さんが、「作業しやすいように」「スムーズにできるように」と意見を出し合って準備を行います。
作業中も一人ひとりに合った方法を模索しながら進められており、スタッフ皆さんの気づかいが働く環境を整えるベースになっていることがわかりました。

布ぞうりの編み道具を活用してシール貼り(左)、シールの中に空気が入りづらくする工程(右)

わかまつ共同作業所スタッフ 金澤さんより
「スタッフそれぞれが、今までの経験や知識・技術を最大限に活かして、利用者さんに気持ちよく仕事をしてもらおうと取り組んでいます。
例えば、キャップのシールを貼る際に『キャップが動いてなかなか貼ることができないかもしれない』『大きくずれて貼ってしまうかもしれない』と想定します。
『キャップの紐を通す穴の部分を活用できないか』と話しになり、布ぞうりを編む道具がピッタリはまることがわかりました。
一つひとつのシーンでどのようなことが起こりうるのかを考え、未然にミスを防ぐために意見を出し合い、みんなで解決方法を探し出すのが”わかまつスタイル”です」
他にもボトルのシール貼りの際、水をはけで塗っている工程があったので伺ったところ、空気を抜けやすくするための工夫だったことがわかりました。
効率だけではなくお客様の手に届くまでをイメージし丁寧に仕上げることを意識しています。まさに”職人技”です。

「わかまつスタイル」を教えて下さった スタッフの金澤さん(上)

チーム力で自主製作を盛り上げる

職人技は他にもあります。
わかまつ共同作業所さんでは、地域の方々から寄付して頂いた着物や帯を活用して、布ぞうりやサコッシュなどの自主製作にも力を入れています。
取り組みを始めた当初、思い入れのある品物ばかりだとわかり、頂いたものを新しい形にして皆さんにお届けできないかと考えていたそうです。
そんな時、利用者さんから着物で布ぞうりが作れることを知り、みんなで何度も試行錯誤を繰り返し現在の作品が完成しました。
布ぞうりから始まり、ポーチやサコッシュまで作品の種類も多くなっています。

皆さんの想いがこもった、布ぞうり(左)とサコッシュ(右)

わかまつ共同作業所施設長 長谷川さんより
「利用者さんそれぞれに得意・不得意とありますが、この施設で行われている『ものづくり』には多くの利用者さんが携わってほしいと思っています。
例えば、布ぞうりが出来上がるまでには、着物を割く・糸を解く・裁断するなどの編む以外の工程があります。
自分ができる工程を担っていただき、『ひとつの作品が出来上がるまでを経験してほしい』という想いと、働くことで生活にメリハリをつけて『自分にできることがある』という意識を持ってほしいと思っています。合言葉は”働く喜びを”です」
スタッフに限らず利用者さんの知識や技術を活かして、全員で取り組む姿勢に「わかまつスタイル」がここにも浸透していることがわかりました。
現在も皆さんの得意技から新しい作品を考案中です。

新たな “つながり” を目指して

作品は、施設の一部である店舗や市のイベントで販売が行われており、利用者さんも接客を通じて地域の皆さまとの交流を深めていました。
しかし、コロナ禍により多くのイベントがなくなってしまい、つながりが少なくなってしまう事態に・・・。
現在は、ネット販売をスタートし自主製作品の発信を通じて、新たな「つながり」を模索中です。

キャップのシール貼りをお手伝いしました(左:山田さん)

e-factoryの山田さんより
「“地域とのつながり”を軸に、ビジネスパートナーさんを知ることができればと、長谷川さんにお時間をいただきました。
今までお仕事をお願いすることはあっても、皆さんが『どんな雰囲気の中で作業しているのか』『どのような想いがあるのか』などを知る機会がありませんでした。
今回の作業体験を通じて、わかまつ共同作業所さんの仕事観には強く感銘を受けました。
特に細かい事前準備は、社会人として見習うべきことであり、自部署のメンバーたちと共有したいと思います。
また利用者さんそれぞれの体調管理を含めた支援体制に多くの気づきを得ることができました。
これからも皆さんとの”つながり”を大切にしていきたいと思います」


わかまつ共同作業所さんの仕事を行う上での工夫は、改めて仕事に対する姿勢や視点を変えて考えることの大切さを教えて頂きました。
救急医療情報キットをはじめ、ものづくりの工程にはたくさんの人が携わり、そしてエピソードも詰まっています。
わかまつ共同作業所の皆さん、お忙しいところありがとうございました。
e-factoryの”つながり”は大きなネットワークとして発展中です。