さくらコマースでは、現在「就労移行支援事業」の開始に向け、準備が行なわれています。
就労移行支援事業とは、障害を持つ方の就職を支援する訓練施設のことで、厚生労働省による許認可制の福祉事業のひとつです。
「就労移行支援事業」の立ち上げにあたり「株式会社トライ・アングル」を設立し、大人の発達障害専門の就労移行支援「ディーキャリア」のフランチャイズとして事業を運営していきます。さくらコマースから派生したグループ会社という位置づけです。
対人コミュニケーションや一般の社会生活を送ることに困難をかかえることがある、脳機能障害の一種です。先天的な特性であり、多くの場合は知的障害を伴いません。
一見わかりにくい症状のため、周囲の理解を得ることがむずかしく、社会生活をおくるなかで生きづらさを感じ、二次障害を伴う場合があります。
詳しくは→NHKハートネット福祉情報総合サイト 大人の発達障害
発達障害という特性により、人間関係がうまくいかない、就労が定着しない等の悩みをもつ方へ、実践的な訓練を通じ、就職までをサポートすることがこの事業の内容です。
事業スタートに向けて準備中の岡村さんと増野さんより、現在、どのような取り組みを行なっているか、お話を伺いました。
―――――開所に向け、現在どのような取り組みをしていますか?
岡村さん
「まず、就労移行支援事業をはじめるために、東京都から許可を得るための申請手続きを行なっています。月に何回か都庁に赴き、担当者の方と面談をさせていただいています。
二つ目は、採用活動。
就労移行支援事業は、専門的な知識を要するため、一定の資格、要件を満たす人材が求められます。資格保持者の配置が法的に必須であることももちろんですが、サービスの質においても人選は大切になるので、慎重にすすめているところです。
三つ目は、地域へのご挨拶まわりを行なっています。
さくらコマースから立ち上げる事業として、関連機関を中心にご挨拶まわりをしています。就労移行支援を行なううえで、地域の福祉施設や支援機関との連携は必要不可欠です。こちらは増野さんがメインで進めています」
――――――― 関連機関へのご挨拶は、現在どのようなところへ伺っていますか?
増野さん
「市の生活支援センターや、医療機関へごあいさつに伺っています。
さくらコマースという名前を出すと『さくらコマースが何をするの?』と興味を持ってもらえることで、お話を聞いてくださいます。好感を持って接してくださることが、ありがたいと感じています。訪問先のクリニックの先生に事業内容を説明すると『自分は発達障害ではないか?』『私の子供には、障害があるのではないか?』といった相談を患者さんから持ちかけられることがあるとおっしゃっていました。」
――――――― 都庁への申請と面談は、どのような内容ですか?
岡村さん
「事業計画案、申請書類等をつくり、都庁へ指定権者との面談に伺っています。福祉施設として運営するために必要な申請書類の提出と、面談では、事業の内容、事業に対する想い、考え、支援の方法などを詳しく説明します。社会福祉事業をおこなう上での法令順守やサービス基準を審査してもらうための面談です。
就労移行支援は、就労に必要な訓練を受講していただくことがゴールではなく、就労先をみつけて定着するところまでがゴールです。そこまでの訓練と支援がちゃんとできるのか、というところを審査されている。申請はとても難儀だということは覚悟していたけれど、都庁に赴き事業について語るなかで、福祉における専門的な知識の理解や、事業にたいする熱意の醸成にもつながり、自分にとっては有意義なことだと感じています。」
――――――― さくらコマースから初めての社会福祉事業の立ち上げです。どんな事業を目指したいと考えていますか?
増野さん
「世間では、人材難、人手不足という言葉が色々なメディアで取り上げられていますが、障害者の雇用はまだまだ壁があり、社会に矛盾があると感じています。
地域への営業を通じ、困っている、悩んでいるかたが沢山いることを知り、もっと事業の認知を広げていきたいと強く思いました。
とにかく開所前の準備を万全に整えることが大切だと岡村さんから教えていただいています。開所に向けて自分自身の目標をクリアできるようにがんばります。」
岡村さん
「さくらコマースから派生した新しい法人として『株式会社トライ・アングル』という会社を立ち上げ、開所準備を行なっています。
わたしたちが目指すことは、
① 利用者に適切な支援をする
② 利用者が社会で活躍することができる
③ 企業が優秀な人材を獲得できる
わたしたち、利用者、企業、この3つが繋がっていて、みんながWINになるという想いが『トライ・アングル』という社名に込められています。
社会で輝ける障害者を増やすことで、地域社会に理解がひろがり、ひいては人材難という社会課題にも貢献できる。『3方よし』から『4方よし』となる事業を目指し、取り組んでいきます。」
8月からは「サービス管理責任者」として、石井さんが仲間に加わりました。
「サービス管理責任者」は、利用者の方が就職するまでの個別支援計画の作成や、サービス全体の管理を行なう、事業の要となる役割を担います。頼もしい仲間を得た就労移行支援事業。開所に向け、まい進する日々を過ごしています。
ももちえ